石綿(アスベスト)とは天然に産出する繊維状のケイ酸塩鉱物の一種です。断熱性・絶縁性等に優れ加工しやすく安価であったため、壁材・屋根材等の建材製品、各種工業製品等に広く使用されてきました。

しかし、アスベストが肺ガン・中皮腫・石綿肺等様々な疾病の原因となることが分かっています。そのため、わが国では段階的に規制が強化され、2004年10月1日から0.1重量%を超えてアスベストを含有する製品の製造・使用・輸入が禁止されています。しかし、過去に製造されたアスベスト含有製品(主に建造物に使用された建材製品等)が大量に残存しており、今後それらが使用された建造物の解体・改修が増加すると考えられます。

石綿障害予防規則第3条(事前調査)には 「事業者は建築物・工作物又は船舶の解体・破砕、石綿等の封じ込め又は囲い込みの作業を行う時は石綿等の使用の有無を目視・設計図書等により調査し、その結果を記録しておかなければならない。これらの調査で石綿の使用の有無が明らかにならなかった時は石綿の使用の有無を分析により調査し、その結果を記録しておかなければならない」 旨が規定されています。

空気中の石綿粉じん濃度測定については、建造物等の解体・改修工事(石綿含有建材の除去工事)現場での環境測定(作業前・作業中・作業後等)が監督官庁の指導や工事仕様書等(公共建築改修工事標準仕様書-建築工事編等)により要求される場合が多いです。また、現に石綿を使用している建造物についても管理上の観点から定期的に空気中の石綿粉じん濃度測定を実施し結果を記録しておくことが望ましいです。